期間工が雇い止めで失業保険を最も多くもらえる方法を解説します。
新型コロナショックの影響で期間工や派遣社員の雇い止めが乱発されています。
コロナの不況下では次の仕事がスグに見つかる可能性は非常に低いでしょう。
『雇い止め=失業保険』と言っても良いかもしれません。
しかし、失業保険は知識が無いと損をしたり、申請をしない人までいるので
雇い止めされる前に事前準備として期間工の失業保険について知っておくべきです!
あなた自身が失業保険を『いくら』、『どれくらいの期間』もらえるのか知っておけば
その後の生活の計画が立てやすくなります。
▼失業保険の申請と同時に国民年金免除と健康保険料の減額の申請も行いましょう▼
期間工の離職コードと退職理由
失業保険を『いくら』、『どれくらいの期間』もらえるかは、退職時に会社からもらえる離職票に書かれている離職コードと退職理由が重要になってきます。
ケガによる退職やパワハラによる退職などのレアケースを除けば、期間工の離職コードと退職理由は以下の3種類に分類されます。
加入要件:雇用保険の被保険者期間のこと。
給付制限:退職理由により3ヶ月待たなければいけない場合と、直ぐに受給できる場合がある。
一般受給資格者(自己都合退職等)
離職コード | 加入要件 | 給付制限 | 給付日数優遇 |
4D(40) | 12ヵ月以上 | 3ヶ月 | なし |
期間工によくあるバックレや、仕事がキツくて自分で辞めると決めた場合がこれにあたります。
契約期間の途中で退社した場合は一般受給資格者になります。
給付制限の3ヶ月を待たなければ失業保険をもらえません。
さらに給付日数優遇が無いので給付日数も少ないです。
特定理由離職者2
離職コード | 加入要件 | 給付制限 | 給付日数優遇 |
2D(24) | 12ヵ月以上 | なし | なし |
期間工が3ヶ月ごとの契約更新時に、更新を拒否した場合。
つまり、契約更新するチャンスがありながら自分から更新をしない選択をした場合は『特定理由離職者2』となります。
2年11ヶ月のフル満了もこれにあたります。
一般受給資格者との違いは給付制限の3ヶ月を待たずにもらえるという点です。
特定受給資格者1
離職コード | 加入要件 | 給付制限 | 給付日数優遇 |
2C(23) | 6ヶ月以上 | なし | あり |
期間工が契約更新時に更新を希望したにも関わらず、会社側が拒否した場合は『特定理由離職者1』となります。
通常時では少ないケースですが、コロナショックではこのケースが非常に多くなるでしょう。
いわゆる会社都合で解雇された人(特定受給資格者)と同じ条件で失業保険をもらうことができます。
期間工がもらえる失業保険
期間工がもらえる失業保険の給付制限と給付日数は『年齢』、『加入期間』、『離職コード』によって決定されます。
給付日数優遇・無し
被保険者期間 | 10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
給付日数 | 90日 | 120日 | 150日 |
『一般受給資格者(自己都合退職等)』と『特定理由離職者2』がこれになります。
ほとんどの期間工が90日の給付日数になるのがこの表により明らかです。
給付日数優遇・有り
1年未満 | 1年~5年未満 | 5年~10年未満 | 10年~20年未満 | 20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | – |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
期間工の雇い止めは『特定理由離職者1』でこの表になります。
年齢によって給付日数が変わります。
年齢が高くなればなるほど、給付日数が多くなります。
表を見てもらうとわかるとおり、20代の若い人にとっては雇い止めだろうが、契約更新拒否だろうが給付額に変化はありません。
しかし、35歳以上の人にとっては雇い止めの『特定理由離職者1』と、契約更新をしなかった場合の『特定理由離職者2』では
かなり受給額に大きな差が生じてきています。
なので、今回のコロナショックによる雇い止めでは、特に30代後半より年齢が上の人にとって、この違いはかなり重要な内容になります。
失業保険の額については複雑な計算になるのでこちらのサイトで計算してみてください。
例として、大手自動車メーカーの期間工でしたら日額6000円を目安に計算してみるとこうなります。
6000円×30日=180000円
月額18万円を3回、合計54万円の給付を受けられます。
雇い止めになる前に知っておくべきこと
2年11ヶ月のフル満了時や契約更新時に契約更新をしない選択をした『特定理由離職者2』の場合では
会社側が離職票に『離職コード 2D(24)』を記入してくれるのはわかっています。
しかし、今回のように多数の雇い止めが発生した場合に『離職コード 2C(23)』を記入してくれるかどうかは不明です。
離職票をもらった時に離職理由と区分をチェックしておく
離職票にサインする時にチェックする。
なので、僕たち期間工がやっておくべき自己防衛手段として契約の更新の意思があったことを証明しなければいけません。
具体的には、契約更新の1~2ヶ月前に契約更新の意思があるか?というヒヤリングがあると思います。
僕の職場では1.5ヶ月前に専用の書面でヒヤリングが行われます。
最低限、ヒヤリング時のその書面の写真を撮っておいたほうが良いでしょう。
できれば、コピーを取っておいた方がベターです。
仮に、離職票に違う離職コードを書かれてしまった場合でも
ハローワークで失業保険の手続きをする際に、この証拠を出すことで有利になります。
契約更新の意思があったにも関わらず、会社側が契約更新を拒否した場合は
3ヶ月の給付制限なしで、給付日数優遇を受けることができます。
この違いはかなりデカイです!
通常は90日の給付日数ですが、雇い止めならば倍の180日の給付を受けることができます。
日額6000円で計算すると54万円の差になるんです!
参考文献
今回の期間工などの有期雇用の失業保険に関する事は『第9版 失業保険150%トコトン活用術 (日本語) 単行本 2020/5/12発売 日向咲嗣 (著)』を参考にさせてもらいました。
契約期間満了退職の場合、「労働者が契約更新を希望したにもかかわらず、会社側がそれを拒絶した」場合に、初めて会社都合となる。そこで、契約満了までに更新希望の意志を会社に伝えるか、雇い止めを通告された際に雇用継続を求める文書を会社側に提出しておくのがコツだ。まかり間違っても、自分から「辞表」や「退職願い」を出してはいけない。それが自主退職の証拠にされかねないからだ。
2020年4月の法改正に対応するなど、最新の失業保険事情を考慮した活用術が書かれています。
失業保険の事をもっと知りたい場合はこの本を参考にしてみてください。
まとめ
この記事では期間工など非正規雇用の雇い止めと失業保険のもらえる額について解説しました。
この知識を知らなかった為にみすみすもらえるお金を見逃してしまう可能性があります。
なので是非、期間工のような非正規雇用と失業保険の仕組みを理解しておきましょう。
特に、年齢が35歳以上の人には、雇い止めでの失業保険給付は高額になりますので
もしもの時の為に準備するものはして、計画を立てておいてください。
▼失業保険の申請と同時に国民年金免除と健康保険料の減額の申請も行いましょう▼
コメント
これ、ほんとにそうなんですか?ハローワークに、確認しました?
就業規則に会社の生産状況によるって書いてる以上期間満了による会社都合退職は自己都合退職扱いなんじゃないですか?
コメントありがとうございます。ハローワークには確認していません。
現在の有期労働契約での雇い止めの判断はこのようになっているようです。
詳しくは参考文献の 日向咲嗣 氏の本『失業保険150%トコトン活用術 (DOBOOKS)』を読んでみてください。