『山奥ニートやってます』(光文社)という本が発売された。
年間読書冊数が3、4冊という僕からしたら、本を…しかも文庫本で購入すること自体がかなりレアなケースだ。
山奥ニートという存在は、前からyoutubeで知っていた。それがコレ
山奥ニート の生活 限界集落に移住した若者たち、他にも山奥ニート(共生舎)の動画がいろいろアップされています。
人里離れた限界集落に住むニートの集団。
一言で言えばこんな感じ。この言葉が全てを言い表している。
そもそもこの言葉を聞いて「何?山奥ニート?」と興味が湧いてこない、ピンとこない人には全く刺さらない内容の本だ。
・都会を離れて田舎で暮らしたい
・仕事をしないで生きていきたい
・普通に会社員として生きていくことに疑問を感じる
・人付き合いが下手。コミュ障。
いわゆる一般社会から外れた人生を歩んでいる人ばかりが集うコミュニティ…それが山奥ニート。
会社、社会に適合できず転職を17回も繰り返している僕にとって憧れの生き方。
数年前にyoutubeで視聴してから凄く気になっていました。
たまに山奥ニートに関する動画がアップされるとかならずチェックしていました。
いずれは僕も山奥ニートのようなコミュニティに参加したい、もしくはそんなコミュニティを作ってみたい、そう考えていました。
一人で住んだり、1つの家族で田舎に移住するのはよくあることだし、比較的容易にできます。
しかし、いくらコミュ障で一人が好きな僕でも、田舎暮らしを一人でするのはちょっと厳しいなと思います。
ぜったい寂しくなると思うし、そもそもコミュ障なのは、自分と合う人が周りにいないからだと思うからです。
もしも…
自分と気の合う仲間同士でコミュニティを作り、田舎暮らしができたら、そう考えていました。
まさに、山奥ニートの集団と同じような考え。
僕は前から、そのような考えを持っていたので、今回発売された『山奥ニートやってます』光文社の本を読んで
・トラブルの対処方法は?
・金銭面(支出と収入)の具体例
・将来(老後?)はどうするのか
ここら辺の疑問の解決法が書かれているかも知れないと思い、『山奥ニートやってます』を即買しました。
どうやって山奥ニートのコミュニティ共生舎を上手く回していけるか(ルール作り)
コミュニティ運営におけるルール作りが一番大きな問題として考えられると思います。
コミュニティのメンバーや場所によっても変わってきますが、山奥ニート集団共生舎のルール作りはいたって簡単で、『できるだけ取り決め(ルール)は決めない』方針だそうです。
どうしても、という場合のみリーダー達の決定に従うそうですが、『人里離れた限界集落に住むニートの集団』このキーワードで集まったメンバーには細かなルールは必要ないのかもしれません。
山奥ニート集団は現在15人、これくらいの人数のコミュニティは、極力ルールで縛らない方向の運営の方が向いているような気がします。
特に、山里で暮らしていると自然のルールの前では、人間の決めたルールなんてちっぽけなモノに見えるのかもしれませんね。
共生舎のトラブルの対処方法は?
実際に人間関係のトラブルは起きないのか?というと、やはり少しはあり
そのトラブルの対象方法として古くから居るメンバー3人が決定したことに従ってもらうそうです。
ルールをほぼ作らず、ゆるく運営していたとしても、最終的に決断しなければならない場面があると思います。
話し合いや多数決、民主主義的解決法が良いのかと思いがちですが
山奥ニートの集団は最終的には決定権を持つ人間の判断に従ってもらう独裁になっています。
なんか、ここら辺の駆け引きは、海外ドラマのウォーキングデッドを連想しました(笑)
無法地帯の世の中でのコミュニティは、どこも強烈なリーダーシップを持った人間によって統制されています。
おそらく小さなコミュニティはその方が上手く機能するんでしょう。
山奥ニートの生活費(支出と収入)の具体例
これも、実際に山奥暮らしをしようと考える人にとっては切実な、現実的な問題です。
今回の山奥ニートにおいては、月額18000円を全員から徴収。そのお金で食費、光熱費、通信費までまかなっているそうです。
家賃は無料なので、健康保険、年金、趣味の出費、等々のお金を含めても3~5万円もあれば生活できるのではないでしょうか?
ネットを使えば、これくらいのお金は容易に稼げるし、それ以外にも地域の単発的な仕事もあるそうなので普通に生きていけるみたいです。
ネットさえ繋がっていれば、多少家賃が高くても人は集まってくると思うので、この本で紹介されているリアルな実例は凄く参考になりました。
実際に収入を得ている仕事の内容や、webでの稼ぎ方の実例が本では紹介されています。
山奥ニートの将来は?老後はどうするのか
現在48歳の僕としては、そんなに近い将来では無いものの、20代、30代の人よりは切実な問題です(笑)
実際問題として…
「期間工の仕事が雇い止めになるかも!?」
と、今を生きることで精一杯なので、そこまで頭が回らないというのが現実です。
そんな問題に関して、本では、平均年齢80歳以上の集落のご老人が身の回りのことは自分でやれていたり、実際に『田舎の高齢者は認知症になりにくい』という事実もあるそうです。
ある程度不便な田舎の方が人間らしい生活を最後までできそうな期待を持たせてくれました。
田舎暮らしで老後を迎えても、骨を埋めることになっても、その方が良いんじゃないかなと思います。
「山奥ニート」やってます。(光文社)
Amazonでキンドル版と文庫本の両方が販売されています。
まとめ
あのyoutubeで一部しか見えてこなかった山奥ニートの生活がより鮮明にわかって満足しました。
著者であり、山奥ニート集団のリーダーである石井さんの人柄はyoutubeのまんまだな…と思いました。
その石井さん自身がニートでありながら結婚をしたり、山奥ニートに女性のメンバーが加わったりと
山奥ニートが進化していっていることを実感しました。
僕が思い描いている山里暮らしに近い部分もあるし、ちょっと違うなと感じる部分も。
著者の石井さんには、本を出したこともあるので
今後は継続的に山奥ニートの生活を情報発信してほしいと思います。期待してます。
▼『山奥ニートやってます』著者石井さんのブログ▼
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